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みんな同じ空の下
第12章 月夜の泉
*
シバが眠っているリノに衣服を着せると、そのまま抱え上げた。
「また熱でも出されたら面倒だ。部屋に戻す」
「そうしてください。私は酔いつぶれた皆に二日酔いの薬を調合しなければならないので、これで」
レンカが頭を下げて去った。
シバに抱えられたリノの寝息は変わらず規則的だ。
(起きてはいない、か…)
リノが起きることを考慮して、声量を抑えてレンカと話をしていたが、眠っているなら関係なかったかと、シバはひとりごちた。
リノが聞いていたなどとは知らないまま。