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みんな同じ空の下
第20章 美しき毒花
何故こんな早朝にニナが酒場の近くにいるのだろう。
ナミキの妻となったニナは、水鳴館を辞めたはずだ。
それに、何故あのように人目を気にしているのだろうか。
リノはニナの後を追って、路地裏へと歩みを進めた。
「…お待ちになりましたか?」
ニナの声が聞こえ、リノは咄嗟に動きを止めると、声がもう一つ聞こえた。
「いや、大丈夫だ」
男の声ではあるが、相手はナミキではない。
恐る恐る覗き見ると、そこにはシバがいた。


――何故、シバが…?


耳をそばだて、リノは二人の会話を聞き取ることに集中した。
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