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第20章 美しき毒花

アンリは更に言葉を続けた。
「その人間は警備局の人間に接する機会が多く、王都を離れてもさして問題のない人物。警備局が使う店の者や、警備局の人間と近しい者の行動を調査した結果、王都を複数回出入りするニナ・カヤを監視対象につけることにした。数日は尻尾を出さなかったが、漸く動き始めたと監視者から報告が上がって、尾行していたんだ。早朝の不自然な挙動を伴う外出と俺らの尾行を撒いた辺りから怪しいとは思っていたけど、まさか本当に咬龍団と繋がっていたとはな」