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第21章 偽りの恋と真実の愛

働き初めて五日。店の雰囲気にも慣れてきた頃。
その日、ニナは酔った客の男に絡まれていた。
「姉ちゃん、見ねぇ顔だなぁ」
「ええ、五日前に入ったばかりです」
いつも通り愛想良く笑うニナに男はいやらしく笑い返した。
「姉ちゃんは別嬪だなぁ。どうだい、一晩俺と寝てみねぇか。金は弾むぜ？」
ニナは男の言葉に気色の悪さを感じながらも、愛想笑いを続けた。
「いえ、私は只の給仕ですので…」
「いいじゃねえか。…それとも何だ。客の言うことが聞けねぇのかあ？」
酒臭い息を撒き散らしながら、男がニナの手首を掴んだ。