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みんな同じ空の下
第22章 心を占めるもの
「それから、多分ニナの受ける罰は王都追放くらいが妥当だと思うんだけど」
ナミキが懐から三つ折りの紙を取り出し、ニナに差し出す。
ニナは鉄格子の隙間から手を出してそれを受け取った。
「それ、どこの役所でも受理はしてくれるから、外に出られるようになったら名前を書いて出しておいてね」
三つ折りの紙をニナが開くと、それは離縁状であった。
「王都にはいられないけど、これが受理されれば僕の妻だという縛りはなくなるよ」
ナミキはただただ穏やかだった。