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みんな同じ空の下
第30章 静かなる大捕物
「残念だね。このまま見つからなければ、また国王の首を狙えたのに」
タセムは天井を仰ぎながら呟いた。
嫌な予感が、リノの背中を走る。
「――まさか、咬龍団の後ろ盾となって、情報を流していたのは」
タセムだと言うのか。
「随分賢くなったね。その通りだよ、キオ」
「なっ…!」
悪びれることなく、いつもと変わらない笑顔で認めたタセムに、リノは怒りの声を上げた。
「何を考えて…っ!」
「キオ。やめろ」
冷静だが、一際大きな声でアンリが止めた。
「…全員捕縛だ」
それを合図に、シバ達咬龍団は次々と捕縛された。
タセムも、アンリによって縄が掛けられた。
咬龍団は誰一人暴れることなく、驚くほど静かだった。
人々が祭りで浮かれているこの日、咬龍団は静かに、あっけなく捕まった。
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