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みんな同じ空の下
第36章 二年後の再会
「リノさん、いるかね?」
家の外から朗らかな声で呼ばれたリノは、長い髪を揺らしながら、穏やかに「はい」と返事をした。
外に出ると、小柄な老婆が一人、野菜や米を詰め込んだ籠を抱えて立っていた。
「ホミさん、どうしました?」
「役場からの配給が来ているよ。広場に行って貰っておいで」
「ありがとうございます」
リノが笑顔で礼を言うと、ホミも笑い返した。
「昔は旱害(かんがい)があっても、配給なんてなくて、皆飢えていくばかりだったのに。変わったものだねえ」
ホミがしみじみと言うと、リノが苦笑した。
「良いことですよ。喜びましょう」
「そうだね。今の王様がそうして下さったんだから」
「……ええ」
リノが小さく頷いた。
家の外から朗らかな声で呼ばれたリノは、長い髪を揺らしながら、穏やかに「はい」と返事をした。
外に出ると、小柄な老婆が一人、野菜や米を詰め込んだ籠を抱えて立っていた。
「ホミさん、どうしました?」
「役場からの配給が来ているよ。広場に行って貰っておいで」
「ありがとうございます」
リノが笑顔で礼を言うと、ホミも笑い返した。
「昔は旱害(かんがい)があっても、配給なんてなくて、皆飢えていくばかりだったのに。変わったものだねえ」
ホミがしみじみと言うと、リノが苦笑した。
「良いことですよ。喜びましょう」
「そうだね。今の王様がそうして下さったんだから」
「……ええ」
リノが小さく頷いた。