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みんな同じ空の下
第38章 幸せに、生きろ。
「リノ」
「はい、陛下」
「…シバのことは忘れなくていい。ただ、ほんの少しだけ私がお前の心に入る隙間を空けて欲しい」
リノは戸惑ったような表情を一瞬見せ、目を伏せた。
「…わ、たし…」
「傍にいて欲しい」
絞り出すような声で請うハクトの姿に、リノの心臓は締め付けられるようだった。
(私も陛下のお傍にいたい。…でも)
シバは、こんなにも易々と他の男に惹かれる自分のことを許してくれるだろうか。
その時、にわかに一陣の風が吹いた。
強い風であるはずなのに、リノの体を抜けていくそれは優しく撫でるような感覚だった。
「はい、陛下」
「…シバのことは忘れなくていい。ただ、ほんの少しだけ私がお前の心に入る隙間を空けて欲しい」
リノは戸惑ったような表情を一瞬見せ、目を伏せた。
「…わ、たし…」
「傍にいて欲しい」
絞り出すような声で請うハクトの姿に、リノの心臓は締め付けられるようだった。
(私も陛下のお傍にいたい。…でも)
シバは、こんなにも易々と他の男に惹かれる自分のことを許してくれるだろうか。
その時、にわかに一陣の風が吹いた。
強い風であるはずなのに、リノの体を抜けていくそれは優しく撫でるような感覚だった。