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みんな同じ空の下
第6章 少女が「女」を捨てた日 ~其の壱:十年前~
「リノ。母のために仇討ちに向かい、処刑を甘んじて受けようとした精神は確かに美しい。だが、母が我が子に望むのは、生きていてほしいということではないだろうか」
リノがはっと顔を上げる。
「生きて、様々なものを見て成長してほしいと思っていたのではないかと、私は思う。だから、君にはここで生活しながら様々なことを学び、成長し、生きていってほしい」
母は、リノに生きていてほしかったのだろうか。
リノにはもう、それを知る術はない。だが、ハクトの言葉に反論することはできなかった。
リノがはっと顔を上げる。
「生きて、様々なものを見て成長してほしいと思っていたのではないかと、私は思う。だから、君にはここで生活しながら様々なことを学び、成長し、生きていってほしい」
母は、リノに生きていてほしかったのだろうか。
リノにはもう、それを知る術はない。だが、ハクトの言葉に反論することはできなかった。