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みんな同じ空の下
第7章 少女が「女」を捨てた日 ~其の弐:三年前~
「いいなあ」
「俺らは酒を呑む金もねえのによ」
「おまえらだけ…」
「俺にも、金、分けてくれよ…。ひひひ…」
周囲には、遠巻きに様子を見ている者が数人。
気にはなるが、関わるつもりはないらしい。
ハクトはリノの方を見た。
リノを羽交い締めにしている男は、おそらく動かないだろう。リノはハクトに素直に金を出させるための人質だ。
この人数程度なら、ハクト一人で片付けられるはずだ。
そう判断して構えた矢先。