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花の咲くころ
第4章 さ
「しゅ、駿ちゃん。好きって・・・」
「花の事好き」

軽くお酒の匂いのする駿ちゃんは
あたしを抱きしめて鼻を首筋にこすりつけた。
セーブをしたと言ってるけど、結構酔っているのがわかる。

駿ちゃんが夢ちゃんをあきらめるために、忘れるために
あたしを好きだと言っているのなら。

いいよ―――
あたしを利用して―――

「あたしも駿ちゃんを好きだよ」

その言葉に少し驚いた後に駿ちゃんは優しく笑う。

ああ、この笑顔が好き。

「はな。一緒にお風呂に入ろう。洗ってあげる」

えええ?
それは!あたしにはハードルが高いんですけど!

「い、いいよっ」
「エッチなことしないから。一緒に入るだけ」
「ええっやだっ」
「俺が花を好きで、花も俺が好きなんだろ?問題ある?」

う~・・・

「電気消してくれる?」
「んなことしたら、溺れるだろう?」
「でもっ」
「大丈夫。はなの裸は見慣れてるから。よく一緒に入っただろ」
「20年も前でしょ!」
「あっはっは。大丈夫。本当にエッチなことしないから」

そう言ってあたしの手を引いて
駿ちゃんはお風呂場に連れて行った。
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