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最初に出逢った日のように~一片丹心・300年の恋~
第1章 運命は巡る
ファヨンはこんな時、誰もが使う言葉を使った。
―ごめんなさい。折角ですけど、私にはもう好きな男(ひと)がいるんです。
相手の男性もそれですんなりと納得してくれたようだし、付き合う気もないのに、相手に気を持たせるようなことはするべきではない。なので、これで良かったのだ。
が、自分でも不可解に思えたことは、好きな男がいると口にした瞬間、あの歴史学の講義で自分を不躾に見つめていた男の貌を思い出してしまったことだった。
―ごめんなさい。折角ですけど、私にはもう好きな男(ひと)がいるんです。
相手の男性もそれですんなりと納得してくれたようだし、付き合う気もないのに、相手に気を持たせるようなことはするべきではない。なので、これで良かったのだ。
が、自分でも不可解に思えたことは、好きな男がいると口にした瞬間、あの歴史学の講義で自分を不躾に見つめていた男の貌を思い出してしまったことだった。