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最初に出逢った日のように~一片丹心・300年の恋~
第4章 何度でも、あなたに恋をする
「君は三百年前は嫉妬の欠片すらも見せてはくれなかったからな」
「それは!」
 ファヨンはうつむいた。
「あなたが普通の男の人なら、私は嫉妬できたわ。でも、あなたは王という特別な立場にいる人だったもの。私一人の感情で他の女性と拘わって欲しくないとは到底、言えなかったでしょ」
 ジュンスが優しい笑みを浮かべた。
「もう、俺たちを邪魔する者はいない。この現代では、俺も君もただの男と女なんだ。俺はやっと君一人を愛し抜くという誓いを守れそうだ。だけど、たまにはやっぱり、嫉妬する君も見てみたいっていうのが男の本音かな」 
 どこまでも嬉しげなジュンスが恨めしく、ファヨンは頬を膨らませて、そっぽを向いた。
「知らない!」
「三百年経って君に妬いて貰えるのは格別に気分が良いよ」
 ファヨンはますますむくれる。
 ジュンスの陽気な笑い声が少しひんやりした五月の夜陰に弾けた。
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