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最初に出逢った日のように~一片丹心・300年の恋~
第1章 運命は巡る
ふいにキーンと金属質な音が耳奥で鳴り響き、鈍い痛みが頭を走った。ファヨンは思わず両手で頭を抱え、その場にうずくまった。
「大丈夫か?」
誰かの声が降ってくる。気遣わしげな声、そう、私はこの声の持ち主を知っている。けれど、どこでいつ彼に出逢ったのかまでは思い出せない。現実には彼と私は昨日出逢ったばかりで、互いにそれまでその存在すら知らなかったというのに。
こんなことが、世の中にはあるのだろうか。