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甘く、深く、繋がって
第15章 守りたい
斎藤さんの言う『やっかいな奴』はあの人かもしれない、と思わなかった訳じゃない。でも心配を掛けたくなくて、誰か接触されてないか聞かれた時に話す事が出来なかった。
すごく威圧感を感じて怖いとも思う。でも、同じ女の人、だし……
私は今はるちゃんの家にいる。会社で会わないように気を付けていれば大丈夫。
そう思ってた...
夜勤だったはるちゃんを起こさないように支度して、そっと家を出る。
エレベーターから一階に降り立って
……何で?
ガラスのドアの向うに桐生さんが立っていた。
不思議に思いつつエントランスへ向かう。自動ドアが開いて、桐生さんが振り返った。
「おはようございます」
「お、おはようございます」
柔らかい笑顔はいつもと同じ。でもハットを斜めに被り、黒いロングコートで立つ桐生さんは知らない男の人に見えた。
「タクに頼まれて、お迎えに伺いました」
「……斎藤さん、に?」
「はい」
「電話して確かめますか?」
笑顔のままで携帯を差し出され、慌てて首を左右に振った。
「あの、でも、大丈夫ですよ?」
「はい。でもタクの頼み、ですから」
ニコリと笑って歩み寄ってきた桐生さんに背中に手を回された。
すごく威圧感を感じて怖いとも思う。でも、同じ女の人、だし……
私は今はるちゃんの家にいる。会社で会わないように気を付けていれば大丈夫。
そう思ってた...
夜勤だったはるちゃんを起こさないように支度して、そっと家を出る。
エレベーターから一階に降り立って
……何で?
ガラスのドアの向うに桐生さんが立っていた。
不思議に思いつつエントランスへ向かう。自動ドアが開いて、桐生さんが振り返った。
「おはようございます」
「お、おはようございます」
柔らかい笑顔はいつもと同じ。でもハットを斜めに被り、黒いロングコートで立つ桐生さんは知らない男の人に見えた。
「タクに頼まれて、お迎えに伺いました」
「……斎藤さん、に?」
「はい」
「電話して確かめますか?」
笑顔のままで携帯を差し出され、慌てて首を左右に振った。
「あの、でも、大丈夫ですよ?」
「はい。でもタクの頼み、ですから」
ニコリと笑って歩み寄ってきた桐生さんに背中に手を回された。