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甘く、深く、繋がって
第16章 過ぎ去らざる戒め
腕を解いて顔を覗き込む。
「来てくれたばかりで悪いんだけど、今日はもう帰るから」
「えっ?」
「店長に上がって良いって追い出された」
驚いた様に俺を見上げる大きな瞳から、また涙が溢れだす。唇で触れるように吸い上げて
「帰ろう?」
そう言った俺に、真純は今度も黙ったままで深く頷いた。
立ち上がらせてコートを着せる。俺もそのまま上からダウンを羽織り、着てきた服や全ての荷物を持って、裏口から外へ出た。
店から少し離れたコインパーキングへ足早に向かう。真純を助手席に座らせて、荷物は後ろに放り込んだ。
裏から出ては来たが、念のため動く人影が無い事を確認する。それから車のエンジンをかけた。
みゆきに店に来られたのは予定外。本当は常に俺の動向を探っているみゆきに、あからさまにソウと知れるホテルに入る所を見せるつもりだった。真純に男をけしかけても逆効果。そこに気付く事はなくても、間違いなくみゆきは荒れる。行動がエスカレートすることを予測して、すでに警察には相談し、真純のマンション周辺の巡回を増やしてもらえる事になっていた。
でも、事情が変わった。
「来てくれたばかりで悪いんだけど、今日はもう帰るから」
「えっ?」
「店長に上がって良いって追い出された」
驚いた様に俺を見上げる大きな瞳から、また涙が溢れだす。唇で触れるように吸い上げて
「帰ろう?」
そう言った俺に、真純は今度も黙ったままで深く頷いた。
立ち上がらせてコートを着せる。俺もそのまま上からダウンを羽織り、着てきた服や全ての荷物を持って、裏口から外へ出た。
店から少し離れたコインパーキングへ足早に向かう。真純を助手席に座らせて、荷物は後ろに放り込んだ。
裏から出ては来たが、念のため動く人影が無い事を確認する。それから車のエンジンをかけた。
みゆきに店に来られたのは予定外。本当は常に俺の動向を探っているみゆきに、あからさまにソウと知れるホテルに入る所を見せるつもりだった。真純に男をけしかけても逆効果。そこに気付く事はなくても、間違いなくみゆきは荒れる。行動がエスカレートすることを予測して、すでに警察には相談し、真純のマンション周辺の巡回を増やしてもらえる事になっていた。
でも、事情が変わった。