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第21章 伝わる心

「お、おね、が……い」
キスの合間を縫ってようやく発した言葉。斎藤さんがふふっと笑う。
「……うん。何？」
でも、認めてはもらえなくて
「ぁ……ゃ……」
口ごもった私に、目を細めた。
「ふ、んん……」
ズルリと指が抜かれる。

んっ
や、だ……

飢餓感から追い掛ける様に腰が揺れる。
「言って、真純？」
口角の上がったシンメトリー。熱いのに寒気を感じさせるほどの色気を放ち、私に言葉を強要する。
あ、た……
たくま、さ……ん……

魅入られて、囚われて……
ますます身体の熱が上がっていく。
ただ、もう
焦がれて、止まない。

欲しい、よ……
たくまさん

「く、くださ、ぃ……」
ゆっくりと細められ、弧を描く瞳。
「何が欲しいの？」
「たく、まさん」
「うん」
優しい声に柔く促されて
「……拓真さんを、下さい」
やっと紡いだ言葉。極上の笑みが返ってきた。