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第25章 始まりの夜

「後ろから、する？」
問い掛けながら右手を下へと滑らせる。
「あっ、やっ！」
捉えた芯を円を描くように柔く撫でて、そのまま奥へ。跳ねた腰を引き上げようとして真純に身体を捩られた。
「やっ、です」
振り返ったその顔は頬を上気させ、涙で瞳を潤ませてゾクリと俺の雄を煽る。でも少しひそめられた眉と切実に俺を見上げる瞳から真純が言いたい事は何となく伝わって。自然と口元が緩んでいた。
肩を押して真純の身体を仰向けに倒し、その手首を掴んで俺の首に回させる。
目線の高さを合わせて
「おいで、真純。ギュッて、してあげる」
微笑み掛けると真純の顔が泣きそうに歪んだ。
反対の腕も俺の首に絡め、縋り付いてくる。
「たくまさん」
「んー？」
甘えた様に名前を呼ばれ、胸の奥が温かくなる。抱き締める腕に力が入った。
腕の中で小さく震える真純の事が可愛くて、愛しくて……
「真純、愛してる」
伝えずにいられない。
「……す、き」
「うん」
「拓真さんが、好き」
涙声で返されて、堪らずキツく抱き締めた。
真純の伝えてくれる『好き』はいつも俺を幸せにしてくれる。
「俺も、真純が好きだよ」