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五十嵐さくらの憂鬱。
第12章 …12
大貫小春は斎藤夏月に夢中だった。
もともとがミーハーな体質のため
人気のある夏月と間近で話をしたのが
小春のストライクゾーンにはまったのだ。

「あ」

友達と校舎を歩いて居ると
中庭のベンチに夏月を見つけた。

「夏月先輩だ!」
「え、どこどこ!? うわ、かわいいー!」
「ちょっと、話しかけてくる!」

走り出しそうな小春を友達ががっちりつかんだ。

「ちょっと小春、聞いてないわよ。
なんで知り合いになったのよ!」

この友達も割とミーハー体質のため
夏月のことを知っていたようだ。
まあ、夏月は派手なので
名前を知らない人がいても
特徴を言えばだいたい通じる。

「いろいろあってねーん」
「ぜひ、紹介して!!!」
「いいよ、今度ね。言っとくわ」

友達にものすごい力で握手をされてから
小春はベンチで隣に座る人に
めちゃめちゃ話しかけている夏月の元へと向かった。

「先輩、こんにちはっす!」

小春が軽く手を上げると
夏月は話をやめてきょとんとした後に
ああ、と手を打って小春に「よ!」と手を上げた。

「楽しそうですねー!」
「そんなことないよ、こいつ、ちーっとも俺の話聞かないの。
まぁ、今に始まったことじゃないけど!」

そう言われて小春は、黙りっきりの夏月の友人を見た。
本を開いたまま、その人の周りだけ時間が止まっているかのようだ。
話し声に全く気づかないのか
気づかないふりをしているのか
完全に無視をしている。

「えっと…」
「修だよ、イダオサム!
小春ちゃんの情報には入ってないかな?
めっちゃ影うすいからね!」

夏月は悪びれもせずケラケラと笑い
影が薄いと言われた修は、ため息を吐いた。

「あ。生きてる…」

小春は思わず心の声がもれた。
修と呼ばれた人が顔を上げる。
小春を見つめた。

ーーーあ。ーーー

まずい。
小春は慌てて、自分の心のシャッターを閉じようとしたが
遅かった。
見つめられて、固まった。
眼鏡の奥の視線に釘付けになる。

「よく、そう思われているとは知っていたけど
君みたいにはっきり言う子はあまりいない」

まるで教師が話をするかのような口調。
穏やかな表情と爽やかな声音。

ーーーこんな人居たんだーーー

眼鏡にかかる黒髪さえ爽やかな文学青年。
小春は心を奪われた。
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