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五十嵐さくらの憂鬱。
第3章 …3
今日はここまで。
そう言うと樹はさくらを抱え起こした。

「大丈夫…? 立てる?」

樹に抱きつくようにしていないと
力が入らなかった。
しがみついたまま、下唇を噛み締める。

「だい、じょぶです…たぶん…」
「たぶん、て」

樹はふふ、っと笑う。

「ほんと、可愛いな…」

樹はさくらの頭を撫でた。
ずるい、とさくらは思う。
あんなに強引にしておいて、
こんなにいじめておいて、
この優しさはずるい。

「さくら、彼氏のこと、好き?」

うなづくのに、時間が必要だった。
好きといえば好きだ。
でも、好きな分だけ
不満がある。

「好き…です。でも…。
でも、って思う部分が最近は多くて…」
「例えば?」

光輝は美容師なりたてで忙しい。
だから、なかなか会えないのは我慢できる。
ただ、会っても、内容が充実しきれていないのが
1番の不満だ。

「光輝、ゲームが大好きで…。
休みの日は、とにかくゲームしたいみたいなんです」
「こんな可愛い彼女がいるのに、
放っておくの?」

いつの間にか定番の
お家でまったりデートは
光輝のゲームの時間を邪魔しないよう
さくらは課題や本を持っていくのが当たり前だ。

「もっと、かまって欲しいけど…言えない」
「なんで?」
「ケンカになるんです。
忙しいから、
好きなことする時間が休みしかない。
その休みをすべて私に費やすのは無理だって」

樹はふーん、と相槌を打った。

「私はお休みはお出かけしたいけど…」
「彼氏とつきあってて、楽しい?」

いつか、小春にも言われた台詞だ。
さくらには心が沈み込む音が聞こえるようだった。

「でも、好きなんです。
向こうも、私と結婚するって言ってるし」

反応のない樹を見れば
なにを考えているのか分からない顔をしていた。

「健気だね。そんな彼氏のために、
俺にいじめられるなんて」

瞬間、さくらは怖いと思った。
感情が読み取れない、
少し怒ったように思える表情は
さくらの背筋を凍らせる。
整っているせいで、
感情がよけいに読み取りづらい。

「でも俺、そうい献身的なコ、嫌いじゃないよ?」

やっと口の端を持ち上げる樹に
さくらはほっとした。

「そういうコが、罪悪感に苛まれながら
俺にイかされる顔なんて、最高だろうね。
さくら。早くその顔見せて。
イかないお前が、俺で狂う所を」
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