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五十嵐さくらの憂鬱。
第3章 …3
図書館はいつも静かだが
朝っぱらということもあって
よけいに静かだ。
さくらは図書館のバーを通過すると
キョロキョロと辺りを探した。
結局見つからなかったため、
2階の奥にある画集のコーナーへと向かった。
大型本が並ぶ中で
海外の美術館の収蔵品を載せた本を見つけ
空いている本棚の1部に広げて見入った。
「きれい…」
描かれた宗教画はどれも美しく
聖母の微笑みは慈悲の象徴だった。
「おはよ」
耳元で声がして、
後ろからさくらに覆いかぶさるように
本棚に手をつく人物。
「…お、おはようございます…
心臓に悪い登場、しないで下さい」
樹はさくらの耳に髪をかけると
素早く耳元にキスを落とした。
「ちょ、朝からなにするんですか…!」
「しー…」
後ろから手で口を塞がれる。
「図版? へえ、とってもきれいな絵だね」
口を塞いでない方の指で
さくらの首を絶妙な力加減でなぞった。
昨日から焦らされっぱなしで
さくらはもうすでに変な気分になってしまっていた。
煩悩を振り払うように、
図版の聖母に集中する。
「今の俺とさくらはこんな感じかな?」
そう言って、樹が本の上に本を重ねる。
そこには、ベルニーニの最高傑作
『プロセルピナの掠奪』が載っていた。
逃げるプロセルピナに、
冥界の王がまとわりつく。
肉感の表現、動き、バランスにおいて
ずば抜けた作品だ。
「樹先輩が、私に一目惚れしてないから
これとは違います」
さくらのまともな解答に
樹は耳をかじった。
「……一目惚れしてたらどうする…?」
「や、やめてください、おちょくるの!」
さくらの声が響き
樹は慌ててまた口を手で塞いだ。
「まぁまぁ、怒んないの」
んー、とさくらは樹の手を振りほどこうとした。
樹のもう一方の手が、さくらのウエストに触れ
するすると下におりると
内腿を這うように登ってくる。
「ん…あぅ…」
昨日さんざん弄ばれた腰骨の付け根に
またもや指を食い込ませてくると
さくらの口から甘い声が漏れた。
「…ここ、感じる?」
「あっ…」
下着のラインに沿って
親指でなぞってくる。
快楽が押し寄せて来て
さくらは本棚に両手をつくことで
どうにか立っていた。
それを楽しむように、
口を押さえていた手を外すと
両手で内腿もまさぐり
両方の付け根に親指をくいこませた。
朝っぱらということもあって
よけいに静かだ。
さくらは図書館のバーを通過すると
キョロキョロと辺りを探した。
結局見つからなかったため、
2階の奥にある画集のコーナーへと向かった。
大型本が並ぶ中で
海外の美術館の収蔵品を載せた本を見つけ
空いている本棚の1部に広げて見入った。
「きれい…」
描かれた宗教画はどれも美しく
聖母の微笑みは慈悲の象徴だった。
「おはよ」
耳元で声がして、
後ろからさくらに覆いかぶさるように
本棚に手をつく人物。
「…お、おはようございます…
心臓に悪い登場、しないで下さい」
樹はさくらの耳に髪をかけると
素早く耳元にキスを落とした。
「ちょ、朝からなにするんですか…!」
「しー…」
後ろから手で口を塞がれる。
「図版? へえ、とってもきれいな絵だね」
口を塞いでない方の指で
さくらの首を絶妙な力加減でなぞった。
昨日から焦らされっぱなしで
さくらはもうすでに変な気分になってしまっていた。
煩悩を振り払うように、
図版の聖母に集中する。
「今の俺とさくらはこんな感じかな?」
そう言って、樹が本の上に本を重ねる。
そこには、ベルニーニの最高傑作
『プロセルピナの掠奪』が載っていた。
逃げるプロセルピナに、
冥界の王がまとわりつく。
肉感の表現、動き、バランスにおいて
ずば抜けた作品だ。
「樹先輩が、私に一目惚れしてないから
これとは違います」
さくらのまともな解答に
樹は耳をかじった。
「……一目惚れしてたらどうする…?」
「や、やめてください、おちょくるの!」
さくらの声が響き
樹は慌ててまた口を手で塞いだ。
「まぁまぁ、怒んないの」
んー、とさくらは樹の手を振りほどこうとした。
樹のもう一方の手が、さくらのウエストに触れ
するすると下におりると
内腿を這うように登ってくる。
「ん…あぅ…」
昨日さんざん弄ばれた腰骨の付け根に
またもや指を食い込ませてくると
さくらの口から甘い声が漏れた。
「…ここ、感じる?」
「あっ…」
下着のラインに沿って
親指でなぞってくる。
快楽が押し寄せて来て
さくらは本棚に両手をつくことで
どうにか立っていた。
それを楽しむように、
口を押さえていた手を外すと
両手で内腿もまさぐり
両方の付け根に親指をくいこませた。