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五十嵐さくらの憂鬱。
第7章 …7
「先輩…」

起き上がって、さくらは樹を初めて自分から抱きしめた。
光輝との、過去の楽しさや情に甘えていたのは、自分だった。
こんなにも自分を見てくれる人がいるのに
それに気づかないふりをして
光輝との情に甘えていた。

ーーーそのせいで、こんなに傷つけたーーー

「先輩、ごめんなさい…」

こんなに想ってくれている。
優しくしてくれる。
いつも助けてくれるし
夜道を心配してくれている。

「光輝と…決着つけてきます。
だから、待っててください…」
「さくら。どうした…」
「だって、俺を選べって、先輩が…」

そのさくらに、樹は切なくてキスをする。
唇がふれれば、切なさが消えるとでも言いたげに。

「急にとは言わない…。ただ、さくらの身体を思えば…早い方がいい。
こんな傷だらけになって…。
さくらの悲しむ顔なんて見たくないのに、
彼氏と別れたら悲しくて泣くんだろ?」

そう思うと
別れさせるのはエゴなきもしてしまう。

「先輩…」

何も言えず、さくらはただ抱き合って
お互いが自分自身になってしまうのではないかと錯覚するくらいキスを交わした。

ちゃんと言おう。
光輝にはちゃんと言う。
そうさくらは心に決め、
週末までのカウントダウンを開始させた。
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