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五十嵐さくらの憂鬱。
第8章 …8
週末。

さくらは覚悟を決めて
光輝のアパートの前に立っていた。

光輝と別れる。
あんなに大切に思っていた。
でもそれは、さくらだけだったのかもしれないと
やっと気づいた。

DVじみていたり、自分よがりのえっち。
会いたいと言えば責められ
出かけることはほとんどない。
それをカップルと呼ぶのか。

それでも、光輝が好きでいてくれるならと
さくらは思っていた。
しかし、光輝の気持ちは、
さくらにはもう、ちっともわからない。

会話はケンカになって成り立たないし
謝るのは自分ばかり。
おまけに噛みつかれた身体は痣だらけだ。

小春にも光輝と別れると伝えると
『やったじゃん、さくら、おめでとう!
お祝いしなきゃ!』
と飛びつかれた。

小春曰く、女子に悲しい顔をさせる男は罪深いらしい。
男は女を綺麗にさせなくてはいけないとの持論だった。
まったく小春らしくて
さくらは元気がでた。

別れ話をしたら、光輝はどんな反応をするだろうか。
怖い反面、樹がいてくれる安心もあって
さくらの心は落ち着いていた。

『さくらに別れを決心させたのは俺だ。
俺にも、責任はある。
近くにいるから、ヤバくなったらすぐ連絡しろ』

樹はさくらの手を引いてアパートまで送り
そう言って去っていった。

「よし、がんばるんだ、さくら」

最初から樹を選べばよかった。
樹が差し伸べてくれる手は
いつも大きくさくらを包む。
光輝と別れる決心がついたのも
樹がさくらを大切にすると言ったからだった。

「がんばれ…」

自分を鼓舞して、
さくらはチャイムを押した。
声はしない。
中から、光もない。
ゆっくりとドアを開けて中に入って
合鍵を玄関に置く。

「光輝…?」

まだ帰ってきていないらしく
光輝の姿は見えない。
張り詰めていた緊張がほぐれ
さくらはその場にヘナヘナと座り込んだ。

「さくら?」

突如声が聞こえて
さくらは飛び上がった。

「あ、そっか。今日、泊りにくるって言ってたっけ」

口の端にタバコをくわえた光輝がたっていた。
そのタバコを玄関の隅の灰皿になすりつける。

「あ、光輝…おか、えり」
「ん。ただいま」

光輝はそのまま疲れたのかベッドに倒れこんだ。
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