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第3章 二十人殺し

ミュカの頭に良い考えが浮かんだ。

アルベリオが母親を犯して殺してしまえばいい。
そうすれば邪魔者もいなくなるし、傷ついた弟を自分が慰めることが出来る。

大切な人を殺めてしまえば、アルベリオも思い知るだろう。

自分たちは悪魔で、この世界の敵なのだと。
ミュカと二人きりで生きていくしかないのだと。

問題は、アルベリオが母親を犯し殺せるかどうかだ。

けれどミュカは知っている。
人間の感情は、ささいなきっかけで溢れて崩れていくものだ。
きっと、少し突付けば、どうにでもなる。