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第2章 母と息子

父が亡くなった後も男を寄せ付けなかった母が。
よりにもよって、息子である自分の名前を呼びながら。

地面がぐらぐらと揺れている。
ざぁっと、耳の裏を血が下がっていく音が聞こえた。

そうしている間にも、母親の声は漏れてくる。

「はぁっ……アルベリオ、みんなには内緒よ……？」

早く、早く立ち去らなければ。
でも足が動かない。

だんだん母親の声は切羽詰まってくる。

「あっ！　あああ、アルベリオ！」