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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第5章 幼い令嬢

ジャンマルクは二十代半ばの青年だった。
実業家としての手腕もさることながら、見た目もなかなかだとコレットは思っている。
優しげで柔和な顔だちに、紳士的な態度、知的な会話。
兄は常に女性たちに囲まれていた。
けれどけして浮わついた話はなく、コレットにとっては誠実で優しい、自慢の兄だったのだ。
それが、今では。
顔色は灰色に近かった。
艶々していたはずの頬はこけ、目は落ち窪んで深い隈が刻まれている。
むき出しの体は急激に痩せ細っていた。
表情も失われ、ぼんやりと遠くを見ている。
全て、ミュカと部屋に籠るようになってからだ。
実業家としての手腕もさることながら、見た目もなかなかだとコレットは思っている。
優しげで柔和な顔だちに、紳士的な態度、知的な会話。
兄は常に女性たちに囲まれていた。
けれどけして浮わついた話はなく、コレットにとっては誠実で優しい、自慢の兄だったのだ。
それが、今では。
顔色は灰色に近かった。
艶々していたはずの頬はこけ、目は落ち窪んで深い隈が刻まれている。
むき出しの体は急激に痩せ細っていた。
表情も失われ、ぼんやりと遠くを見ている。
全て、ミュカと部屋に籠るようになってからだ。

