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第5章 幼い令嬢

その時、ふいに人の声が聞こえた。

「ミュカ。急に呼び出して何か用？」

この声は、まさか。

コレットは体を起こそうとしたが、傷め付けられた手足は言うことをきいてくれなかった。
かろうじて頭だけを入り口にむける。

開かれたままの寝室のドアに、ミュカが立っていた。
ニヤニヤと嫌らしい笑顔を浮かべている。

彼女の後ろから、茶色い髪の、物憂げな少年が現れる。
アルベリオだった。

少年は寝室の有り様を見たとたん、一瞬で蒼白になった。