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第6章 修道女

本能的な危機感を感じて、ルイーズは弟を引きはがそうとする。

「やめなさい！」

けれどラウルはますます強い力でルイーズの足にしがみついてきた。
大きな手の平が太ももを這い、じりじりと腰にまで近づいてくる。

「ラウル！」

「姉さん、好きでもない人と寝たんだろ？　それなら、僕とだって――」

「な、何を言っているの！？」

これが子犬のような顔で懐いてきたあの弟だというのだろうか。
興奮に頬を染め、呼吸を荒くしてこちらに覆いかぶさってくる。