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片想いの行方
第14章 夏祭り
「こいつ借りる!先に行ってて!」

「………!?」


……今なんて言った!?

あたしは意味が分からず、ヒメを二度。

アンナも凄い顔してる。


「はぁ!? 
先行っててって……あとから2人で来るのよね!?」

「微妙!行けなかったら別行動ってことで!」

「……ちょ、ちょっとヒメ……!」


ヒメはそれだけ言うと、あたしの腕を引っ張って商店街の十字路を左に曲がった。

わ、わけわからないんですけど!!

多くの人が真っ直ぐ向かう中、左に入ったここは比較的空いていて

ヒメは道の真ん中で止まると、パッと手を離した。


「もう、ヒメってば!
こんなに人が多いんだから後から合流するなんて無理だよ。
どうしたの?」


あたしはちょっとイライラして言った。

ヒメの行動は、いつも唐突すぎてワケがわからない。


「さっき何言おうとしたんだよ」

「……え!?」

「何か言いかけただろ?
あんな人混みの中じゃ聞こえねーよ」

「…………」
  

……その為に……?

確かに、みんなの前で出来る話じゃないけど

だからってわざわざ2人で抜け出さなくても……


……ハッ!!

てゆーか、2人で抜け出したこと、みんなどう思ったかな?

怪しいかな?

怪しいよね?

あたしだったら絶対何かあるって思うよ~~!
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