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片想いの行方
第22章 ゆらめき
「スクールは日曜の夜は空いてないから。
こっちだったら入れると思って」

「……!で、でもどうして急に……?」

「香月、さっき泳ぎたくなってきたって言ったじゃん」


ええっ!?

驚くあたしに向かって蓮くんは続ける。


「泳ぎたい時に泳ぐのが1番いいんだ。
そーいう時って伸びるチャンスだから。
それに……さっき香月が感動してくれた話を聞いて、俺ももう一度入りたくなった」

「………っ///」


蓮くんの笑顔を見て、また胸がキュンとする。

さっきの話………

引かないでくれたんだ………

あ、でも


「……どうやってプールの中まで行くの?」


外から見えないように、プールは四方を高いコンクリートの壁で囲まれている。

さすがの蓮くんも、さっきのフェンスみたいに飛び越えるわけにはいかないだろうし……

すると、蓮くんは壁の端にあるドアに向かって歩き出して

……ガチャ。


「…………!?」


一瞬にしてドアを開けた。

えーー!?


「ど、どうして開いたの?」

「カギ持ってるから」

「な……! な、なんで持ってるんですか?」

「俺がいつも1番最後まで残って泳ぐから、顧問が信用して渡してるんだよ」


蓮くんは手の中でカギを揺らして

イタズラっ子の顔をして笑った。
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