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片想いの行方
第22章 ゆらめき
暑さはまだ残っているけど、7時を過ぎて辺りは暗くなってきた。

校庭にある照明がプールまで届いて、水面がキラキラ光って揺れる。

わぁ……

夜のプールってキレイだなぁ……

その揺らめきを見つめていると

パシャーンと音がして


「…………!!」


Tシャツを脱いで、下は短パンのまま

蓮くんが、プールへ吸い込まれるように飛び込んだ。

そして、すーっと流れるように水の中に潜っていく。

わわわ……っ

こんな間近で蓮くんの泳ぐ姿を独り占め……!!

いつも図書室から見ていた時と比べると、何倍も近い。

や、やばい……

幸せ過ぎて死んじゃうよ……///

ドキドキしながらプールの側まで近寄ると

潜っていた蓮くんがすぐ目の前で顔を出した。


「香月も入りなよ。
スクールの小さいプールより深いけど、足着くぜ?」

「う、うん。入りたいんだけど……」


そう、あたしは気付いた。


「水着持ってきてない……」


蓮くんがぷかぷか浮いて気持ち良さそうだから、本当は入りたいんだけどな……

すると、蓮くんはプールサイドに肘を付いて、あたしを見上げた。


「そのまま入れば?」

「……えっ!?
そ、そのままって……服着たまま?」

「俺だって下はそのままだし。
これだけ暑いんだから、帰り駅に着くまでに乾くよ」


蓮くん……

そ、そういう問題じゃ……… ないよ?
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