パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第27章 ヒメの願い

「……落ち着いた？」


一度、教室にカバンを取りにいったアンナが

自販機で買ったジュースを持って、屋上に戻ってきた。


「……ごめんね……ありがとう」


あたしはジュースを受け取る。


「そんなに泣くまで悩んでたなら、もっと早く相談してくれたら良かったのに。
こんな私でも、いつでも美和の味方なんだからさ」


あたしの隣りに座って、真下の校庭を眺めながら、アンナが優しく笑う。


「……うん……」


アンナの言葉に、少しだけ心が穏やかになってきた。



ヒメが屋上を出ていった後

今までの蓮くんと、ヒメとの全ての事……

そして、ぐちゃぐちゃで揺れる自分の気持ちを

堰を切ったように、アンナに吐き出した。


もう、自分の中だけで抑えておくことが

どうしてもできなかった。