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片想いの行方
第28章 目を覚ませ
.。.:* side 蓮 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*
屋上から階段を下り、教室のカバンを乱暴に掴んで
プールに見向きもせずに校門を出た。
「……クソッ……」
苛立ちを隠せないまま
自転車のペダルを思いきり踏み込み、並木道を抜ける。
そのまま川沿いの土手にあがると、俺はそこで自転車を降りた。
土手の下の広いスペースで
下校した中学生達が、サッカーをして騒いでいる。
「…………」
……部活が無い時に
あの場所で俺もヒメとよくやっていたな……
しばらくボーッと眺めた後、自転車を押しながらゆっくりと歩き出した。
“ 蓮。お前は何も分かってないな ”
“ 蓮くん、誤解してる ”
ヒメと香月の声が、頭の中で繰り返し響いている。
……誤解?
優香のこと……?
何よりも不可解なのはその後のヒメの言葉だ。
“ 実はもう分かってるのに、本心を見て見ぬ振りをしている ”
……なんだよそれ。
わかんねーよ。
自分だけ全てを悟ったような顔をしやがって……
「…………っ」
自分の髪をグシャッと掴む。
……試合まであと6日しかない。
普通なら最後の追い込みだってのに……なにやってんだ俺……
屋上から階段を下り、教室のカバンを乱暴に掴んで
プールに見向きもせずに校門を出た。
「……クソッ……」
苛立ちを隠せないまま
自転車のペダルを思いきり踏み込み、並木道を抜ける。
そのまま川沿いの土手にあがると、俺はそこで自転車を降りた。
土手の下の広いスペースで
下校した中学生達が、サッカーをして騒いでいる。
「…………」
……部活が無い時に
あの場所で俺もヒメとよくやっていたな……
しばらくボーッと眺めた後、自転車を押しながらゆっくりと歩き出した。
“ 蓮。お前は何も分かってないな ”
“ 蓮くん、誤解してる ”
ヒメと香月の声が、頭の中で繰り返し響いている。
……誤解?
優香のこと……?
何よりも不可解なのはその後のヒメの言葉だ。
“ 実はもう分かってるのに、本心を見て見ぬ振りをしている ”
……なんだよそれ。
わかんねーよ。
自分だけ全てを悟ったような顔をしやがって……
「…………っ」
自分の髪をグシャッと掴む。
……試合まであと6日しかない。
普通なら最後の追い込みだってのに……なにやってんだ俺……