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片想いの行方
第32章 選択、そして決断の先に
「……冗談やめてよ」


缶ビールを空けて、乾いた喉に流し込む。


「他の女を好きなのが明らかなのに、傍にいてもらってもこっちが迷惑よ。
私の事が好きで、私に甘い言葉を囁いて、私の近くにいないと意味がないの」

「…………」

「だから蓮の水泳なんて観に行く理由がないし、興味だって……」

「違うでしょ」



私の言葉を遮って、麗子が静かに言った。



「自分が優位に立ちたくて、興味のないふりをしても

蓮くんとあいつと一緒にいると、どんどん2人の魅力にはまりそうで、怖かったんでしょ?」


「…………!」


「ただ単に飾りとして置いておくだけじゃ、勿体ないほどのいい男よ?

優香が知らなかった、想像以上の2人の優しさに……

心が惹かれて、どうしようもなくて

自分の思い通りにいかないことが、あんたをどんどん暴走させたのよ」


「…………っ」


「………もっとちゃんと、彼らと向き合っていれば

彼らの本当の笑顔を、きっと優香も見る事ができたのに」
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