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片想いの行方
第33章 伝えたい想いを、あなたへ
ピストルの音が鳴り響き、選手達がスタートした。
あたしは、そこからの記憶がはっきりと思い出せない。
蓮くんが水に潜った瞬間
今までの想いと、彼との時間が、一気に溢れてきてしまったから。
数学の補習の時、初めて蓮くんと2人で話せたこと
一緒に星を眺めたこと
生まれて初めて10m泳げた時、両手で受け止めてくれたこと
学校のプールで、抱きしめてくれたこと
……あたしに逢いに来てくれたこと
あたしはその度に、何度も蓮くんに恋をして
蓮くんの笑顔を見て、彼を想う気持ちでいっぱいになった。
……この先、どんなことが起きても、どんな答えが待っていたとしても
蓮くんに出逢えて、好きになれたことは
あたしが唯一、自分を褒めることのできる、最大の誇りだよ………