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片想いの行方
第33章 伝えたい想いを、あなたへ
すると


「…………!!」


蓮くんがあたしの手に、そっと手を乗せた。

そして、優しくぎゅっと握られる。


「……蓮く……」



蓮くんの笑顔を見て、堰を切ったように涙が溢れだす。



「……蓮くん……あたし………

蓮くんのことが好きです……」



蓮くんの手の温もりを感じながら、言葉を絞り出す。



「……1年前、蓮くんの泳ぐ姿を初めて見た時から

ずっと蓮くんに憧れてた。

手の届かない人だけど、図書室から見れるだけで、本当に幸せだった。

それが………蓮くんともっと近くなることができて、その想いはもっと強くなったの」



蓮くんの瞳を見ることができなくて

あたしは握られた手を見つめる。



「見てるだけで良かったの。

優香さんがいるのも、分かってるの。

……だけど……

蓮くんが……あたしに優しく笑ってくれるから……

大好きで、胸が苦しくて

もう、抑えられなくなっちゃったの。

あたし………」



次の瞬間


「…………っ」


蓮くんの顔があたしの顔に近付いて


唇が静かに重なった。

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