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片想いの行方
第35章 いつかのお返し

「蓮せんせい、美和ちゃん! おっそーい!」


ドアを開けると、誰よりも真っ先に陽菜ちゃんが駆け寄ってきた。

頭にサンタクロースの帽子をかぶっている。


「陽菜達ね、もう待ちきれなくて。
みんなでジングルベル歌って、先に乾杯しちゃったんだよ!
どこ行ってたの!?」

「ごめん、陽菜。
軽く下見のつもりだったんだけど、広すぎて」


プンプンと怒る陽菜ちゃんの帽子を撫でながら、あたしの隣りで蓮くんが笑った。

研究室の真ん中にあるテーブルに近付くと

スイミングスクールの男の子達が、目をキラキラさせて蓮くんを囲む。


「蓮せんせー、美和とやらしいことしてたんだろ!」

「そうだそうだ!絶対エロいことしてて遅くなったんだぜ!」


蓮くんは、体にしがみつくみんなを笑顔で見た後、あたしの方に振り返った。


「……だってさ。 美和。
バレてたみたいだぜ?」

「…………!///」


あたしが赤面すると、蓮くんは声に出して笑った。
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