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片想いの行方
第35章 いつかのお返し
視界が滲んで、蓮くんの顔がよく見えない。
だけど、その優しい声はしっかりと耳に届く。
「だから、美和には幸せになってほしい。
本当に愛してる奴のところで
心から笑え。
そして
……心から笑えていない、あいつの傍に行って
泣き続けてるあいつの涙を、止めてやってほしい」
大粒の涙が止まらないあたしの頬に
蓮くんはそっと手をあてた。
「頼むよ、美和。
お前しか、あいつを救えないんだ。
……我儘で、自由奔放なくせに
人のことばっかり考えて、自分を後回しにしてる。
……泣き虫で、世話が焼ける……
俺のたった1人の
親友なんだよ」