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第36章 心からの笑顔

「陽菜。
ゲームが始まるから、みんなの所に行っておいで」

「はーい！」


新藤さんに言われた陽菜は、ぴょんぴょん跳ねながらみんなのいる真ん中へと戻っていった。

新藤さんはその姿を見て微笑みながら、隣りに座る。

そして、俺の横に缶ビールを置いた。


「………俺、まだ飲めませんよ」

「これ、ノンアルコールだから。
発散するフリくらいはできるよ」


新藤さんはそう言いながら缶のフタを空けた。

キャッキャと笑い合う陽菜達を見つめながら

俺は口を開いた。


「……さっき……美和と別れました」

「………そう。 随分急だったね」


新藤さんは穏やかな声で続ける。


「いいの？ 少しでも心残りがあるなら、まだ間に合うんじゃない？」

「……いえ……」


俺は缶ビールを持って、ヒメと美和の顔を思い出していた。