この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
片想いの行方
第37章 ひとつだけの宝物
「……………」
一瞬で、体が動かなくなる。
俺はその言葉に耳を疑った。
「あたしは、世界中で1番バカだから……
蓮くんが言ってくれるまで、そのことに気付かなかった。
……だけど、蓮くんは……
そんなあたしの心を、ずっと分かっていたの」
美和の瞳から、大粒の涙が流れだす。
俺はただ唖然として、美和を見つめることしかできない。
「……蓮くんに告白する前から
ヒメがあたしに協力してくれた理由が、優香さんを取り戻す為じゃなかったってこと……
蓮くんとあたしの為だってこと
知ってたの……」
「………なっ」
俺はやっと声が出た。
「何意味わかんねーこと言ってんだよ。
この俺が、そんなボランティアみたいな真似するか」
「……だって、アンナに聞いたもん」
美和が少し声を大きくして言った。
あの女~~~!
ベラベラと、しかも本人にバラしやがって!
マジで言うんじゃなかった……