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第38章 最後に、もう一度

.｡.:* side ヒメ *:.｡.｡.:**:.｡.｡.:**:.｡.｡.:*


「……なんだよそれ。 意味分かんねぇ」


───卒業式が終わった後

クラスの仲間が集まった校庭で、紙パックのコーヒーを飲みながら

俺の話を一通り聞き終えた蓮が、そう言って溜息をついた。


周りの皆は、校舎を背にした校庭の真ん中で、お互いに写真を撮ったりして騒いでいる。

その光景を見つめる形で、蓮と中野は並んでベンチに座っていて

俺は、少し離れた花壇のレンガに腰を下ろした。


「別に、蓮に理解してもらわなくて結構。
切なくて真っ白で、ガラスのような繊細な俺の心は
美しすぎて誰も分からないんだ」

「バカ言ってんじゃねーよ。
どーせ美和の真っ直ぐな想いに耐えられなくて、怖気ずいたんだろ」

「…………！」

「何が “ 付き合ってほしいとは言わなかった ” だ。
泣き虫な上に弱虫だな、てめぇは」


………あぁ？


「……なにかな？
蓮くん、俺様に向かってその横柄な態度は」


俺は表面だけの笑顔を作り、花壇から腰を上げた。

蓮も立ち上がり、拳を胸の前で作りながら向かってくる。


「やんのか？ コラ。
“ 俺の次に ” イケてるそのツラが、また腫れても知らねーぞ」




………ブチッ。