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片想いの行方
第39章 片想いの行方
* * *
「なーんだ、結局どっちともくっつかなかったの。
麗子さまの助言でも、美和の心は揺るがなかったのね~」
「……待て。
なんでそこで姉貴の名前が出るんだ」
土手沿いの道まで下りると、アンナの言葉にヒメが反応した。
夕陽があたし達を照らして、4つの影ができる。
「美和、また揺れたりしたらすぐに俺を呼べよ。
いつでも傍に行ってやるから。
新藤さんも陽菜も、お前に逢いたがってるし」
「……蓮くん……」
「蓮、ガキを使うなんて汚ねーぞ。
俺がいつでもお前を監視できる位置にいることを、忘れるな」
アンナがけらけらと笑う。
「あはは、本当に2人は仲良しだね。
同じ名前で両想い。
もう、いっそのことそっちでお互いの愛を深めたらどう?」
ふざけんな!と、またしても蓮くんとヒメは同じ言葉を発して
もうげんなりした様子で、2人は同時に溜息をついた。