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片想いの行方
第43章 突然の…
「あー、いつの間にか俺まで寝ちまってたな」
大きなあくびをして、彼は首をコキコキと鳴らす。
「出勤初日ってだけでも緊張してたっつーのに
いきなり目の前でぶっ倒れやがって」
「………!」
「ビビらすんじゃねーよ」
放心する私の左手を、ぎゅっと握りしめて
ヒメはふっと笑った。
「………っ
……ヒメ……どうして……?」
その笑顔を見て、彼がヒメだと確信すると
私はやっと声を出すことができた。
だけど、まだ胸のドキドキが収まらない。
……就職してから、一度も会っていなかったから
ヒメを見るのは、5年ぶりだった。
「お前、なんで朝いなかったんだよ」
「……えっ?」
「せっかく感動の再会ができると思ってたのに。
つーか、俺はお前の驚く顔が見たかったんだ」
ドキドキするほど色っぽい声だけど、ぶっきらぼうな口調は変わっていない。
……今日の朝……?