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片想いの行方
第45章 あの頃とは違う
恐ろしく低い声だったから
私は一瞬で口を閉じた。
ヒメは私の頬から手を滑らせて
震えはじめた私の右手を、ぎゅっと握り締める。
「……どこが元気なんだよ。
今にも泣きだしそうな顔しやがって」
「…………!」
「俺に嘘つくんじゃねーよ」
握られた手から、熱い体温が伝わってくる。
「……嘘ついてなんか……」
「俺を見縊るな。
お前のその顔も、今の言葉も。
表面だけだってこと、すぐに気付いた」
「…………っ」
「美和。
……何に “ 怯えて ” いるんだよ」
……どうして……?
何も見られていないし、知られていないのに
確信をつくようなその言葉に
体の震えが止まらない。
私は一瞬で口を閉じた。
ヒメは私の頬から手を滑らせて
震えはじめた私の右手を、ぎゅっと握り締める。
「……どこが元気なんだよ。
今にも泣きだしそうな顔しやがって」
「…………!」
「俺に嘘つくんじゃねーよ」
握られた手から、熱い体温が伝わってくる。
「……嘘ついてなんか……」
「俺を見縊るな。
お前のその顔も、今の言葉も。
表面だけだってこと、すぐに気付いた」
「…………っ」
「美和。
……何に “ 怯えて ” いるんだよ」
……どうして……?
何も見られていないし、知られていないのに
確信をつくようなその言葉に
体の震えが止まらない。