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片想いの行方
第48章 2人の夜
無垢材の一枚板が美しい、バーカウンター。
ヒメと親しそうだった店員さんがその内側に立ち、お客さんにワインを注いでいる。
だけど
予想に反して、ヒメはその前を素通りした。
「……あれ……?」
心臓がドクンと鳴る。
東京タワーを背にした、1番奥にあるフラットなステージ。
さっきまで美しいハーモニーを奏でていた演奏者の4人が、近付いてくる彼を見ると
暗黙の了解のように、それぞれの楽器を再び手に取った。
ドラム
ベース
ピアノ
サックス
「…………!」
その中心に足を踏み入れると
ヒメは中央のスツールに座り、マイクの位置を直した。