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片想いの行方
第48章 2人の夜
私は慌てて目を逸らす。
「ふ……ふってないよ……」
「ふっただろ。
俺と蓮の笑顔がどうのこうのって、意味不明な理由で逃げやがって」
「…………!」
「スゲー傷付いた」
「だ、だってそれは……!」
……あの頃の揺れていた想い。
答えは出せなかったけど、あの時はそれが私の正直な気持ちだった。
「……逃げたつもりは無かったんだよ……」
絞り出すように小さな声で言うと
ヒメは少ししてから口を開いた。
「お前、今でも蓮と連絡取ってんの?」
「……えっ……?」
ドクンと心臓が鳴る。
「……ヒメと一緒で、就職してからは1度も逢ってないよ。
たまに……何ヶ月かに1度くらいのペースで、メールはくれるけど……」
「……ふーん……」
ヒメは水を飲むと、そのまま黙ってしまった。
……なんとなく、沈黙が苦しい。