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第49章 償いの理由

「……ん……っ」


……突然の、キス。

がっちりと押さえられた体が、急激に火照るのを感じる。


「……ま、待っ……っ……！」


ほんの少し離れたと思っても、またすぐに深く舌を入れられる。

ヒメの髪は乾ききっていなくて

前髪から一粒の滴が落ちて、私の頬を濡らした。


……頭がクラクラする……

体から力が抜けて、何も考えられなくなってしまう。



「………思い出した？」



骨まで溶けてしまうような、長くて濃厚なキスのあとで

ヒメはようやく私から唇を離した。



「俺が美和に欲情したのは、あの流星群の日だけじゃない」


「…………っ」


「教室でも、図書室でも

……蓮を見つめるお前を、俺はずっと見ていたんだ」