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片想いの行方
第50章 真実

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「あれー!イケメンくん♡」


夜8時半。

フロアをひとつ下に降りて、生産管理部へ足を運ぶ。

残っている社員はほとんどいない中、奈々さんが俺に気付いて立ちあがった。


「どうしたの~? 珍しいね。
あ、美和ちゃんならもう帰っちゃってるわよ」


……9時まであと30分。

美和が既に会社を出ているのは知っている。


「突然すみません。
実は、奈々さんに用があって」

「キャッ♡ 私に?
なになに? 何でも言って!」


奈々さんはパッと笑顔になって、俺の方に近付いてきた。


「あまり聞かれたくない話なんで、ちょっとあっちの休憩スペースに行ってもいいですか?」

「う、うん。そりゃいいけど……
何よ、ドキドキするじゃない。 私、人妻よ?」


俺と奈々さんは笑いながら、フロアの端にある、ガラスで仕切られた休憩スペースに入った。


日付が変わり、今日から12月。


美和がうちに泊まったあの日から、2週間が経った。

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