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片想いの行方
第50章 真実
…………やっぱりそうか。
俺のカンは間違ってなかった。
「じゃあ、なぜそいつは2年も休職を?」
「……もともと金持ちで、働かなくてもいいような人だから。
そうでなくても、その怪我の前から週に何回も休んでたし。
社内の人達も居なくなってホッとしてたから、気にも留めてなかったんだけど……」
奈々さんは体を震わせながら、俺を真っ直ぐ見つめる。
「……ヒメくん……
一体どういうこと……!?」
………美和の話を聞いている途中から、妙な違和感があった。
だから今の奈々さんの話で、今まで予想しながら動いてた事が、ピタリと当てはまった。
そもそも、いくら金に困らないとはいえ、働けなくなるくらい体に支障が出たにも拘らず、誰にも公表しないことがまずおかしい。
会社の重役がそんな状態になりながら、美和がいまだにこの会社で働いてるのも不可解だ。
思った通り、この2週間色々調べてみた結果、そいつの現状は誰も知らなかった。
単なる捻挫ってことは、病院や会社には何かしら口封じでもしたに違いない。
混乱してパニックになっている美和に、巧みな言葉で責任を押しつけて、追い詰めたんだろう。