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片想いの行方
第51章 制裁
「一条さん」
キッチンから出ると、彼はゴルフのクラブを握って、窓際で素振りをしていた。
………その手に、松葉杖は無い。
「私、来週末会社の忘年会なんです。
その日は来れないので……」
「駄目だ」
「……えっ……?」
「忘年会は欠席しろ」
一条さんは振り返りもせず、キッパリと言い放った。
「……! でも、今までは……」
「少し君を甘やかしていたと思ってね。
会社の飲み会だけ許すっていうのも、これからは無しだ」
「……………っ」
……どうして……
私は1歩彼に近付く。
「……私、他の予定は全て断ってるのに……」
「土日は自由にしてやってるだろ。
むしろ感謝してほしいよ」
「……でも……!」
「うるさいなぁ」
一条さんは素振りを止めて、そのクラブに体重をかける。
「あんまり刺激しないでくれよ。
ほら、また痛みが増してきた」
「…………っ」